拓也「ほぅらゆのはぁ・・。おしおきの時間だ・・。」

ゆのは「こ・・来ないでください・・。」

拓也「ク・・ウヒヒ・・、き、綺麗なまま・、オ、俺のもノに・・。」

ゆのは「どうしたんですか拓也!?まさかアレですか?キルケウ○ルスですか!?助けてくださいア○ラ!!あぁ!こんなネタ誰もわかるわけないです!」

突然急変した拓也に私も混乱します。

ゆのは「!?」

ここはたかが6畳間の狭い部屋・・。壁です。もう後がありません。

拓也「ハァ・・ハァ・・・。き、綺麗なまま、オ、俺のもノにっ!」

拓也が鋏を振り上げました。

私は・・神となった今回も・・、また命を落とさなくてはならないのですか・・・?
今までの日々が走馬灯のごとく蘇ります。

拓也と一緒にいったスイーツパラダイス、拓也と一緒に焼いたホットケーキ、拓也と一緒にした食事の後片付け、拓也と一緒に入ったお風呂、拓也と遊んだ町、拓也に買ってもらったアクセサリー、拓也と一緒に食べたラーメン、拓也ともう一人の拓也と行ったネズミーランド、拓也におごってもらったアイス、そして、拓也が来てくれた私の死んだ場所・・・。

どれをとっても、苦しいくらいに、みんな拓也と一緒。

拓也「怖くなんかナイからね。大ジョうぶ。ホ、・・ホルマリン漬ケに、して、ずっと、俺のそばに・・・!」

いつもいつも無茶振りをして、多くの人たちを巻き込み、自分も馬鹿なことをする拓也。

そう、いつも心配でした。私が見てないと、このダメ男はどうなるかわかりません。もう一人の拓也のように、ニート候補になる可能性だってあるのです。

ゆのは「・・・ふぅ。」

ごめんなさい。ととさま、かかさま。まだそっちには行かれません。

狂った拓也。これも一つの愛の形なのでしょう。こうなっていたのは私だったのかもしれないのですから。そして、これが、私のあなたへの愛の形です。

ゆのは「忘れよ。全てを・・・。」、


つづく。

終末の過ごし方

 拓也さんが同人ゲームなるものにばかりうつつを抜かしていて、就職活動を一向に始めません。度重なる私の忠告にも耳を貸さず、ひがな一日パソコンのでぃすぷれいとにらめっこしています。

 こんなことになったのも私のせいなのでしょうか。ああ、こっちの世界に戻ってきてください拓也さん。白い画面を見つめるその瞳には、一体何が映っているのですか?

 そんな拓也さんを、見つめ続ける日々です。毎日ただ眺めていることにより、改めて分かることもあります。そうですね、例えば……お願いです拓也さん、服くらいは着替えてください。え、もう着替える服がない? し、仕方ありませんね、私が洗濯してきてあげるのです……。

 はぁ。日に日に、焦燥感が募ります。

いい加減

拓也の馬鹿さ加減に嫌気がさしてきました。

だって帰ったら赤い頭巾被った女の子見てるし私の相手もあんまりしてくれないし・・、ひとりは、寂しいのです・・。

                  「ここを出ていく。」

ずっと考えてたことです。それを拓也に告げるため、拓也の前へ。

ゆのは「拓也、お話があります。」

拓也「うん。わかった。あと1話だから待っててくれな。うっひょー!今見えた!!見えたよな!?な!?」

ゆのは「・・・・」

何も言わずに出て行くべきでしょうか。

拓也「あ、冷凍庫にお前の好きなアイスクリーム入ってるから食べていいぞ。」

ゆのは「アイスクリーム!?とっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」

10個ほど食べました。満腹満腹。余は満足じゃ♪

拓也「よし終わった。ゆのは、話ってなんだ?」

はっ。私としたことがアイスのせいで忘れてました。拓也に向きなおります。


ゆのは「拓也、今までお世話になりました。私はきょう限りでここを出ていきます。」

拓也「・・・アイスほっぺについてるぞ?」

ゆのは「誤魔化さないでください!」

拓也が真剣な顔になります。

拓也「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!理由を聞かせてくれぃ!!」

ゆのは「拓也に愛想が尽きました。」

拓也「アレか!?まだ抱いてないからか!?そもそもアレか!?今いらいらしてるのは生理だからなのか!?」

この馬鹿男はホントに・・・。

ゆのは「自分の胸に手を当てて考えてみなさい。」

拓也「うん。いろいろありすぎてわからん。」

ゆのは「ちょっとは考えてから答えなさい!」

拓也「だっていろいろありすぎてわかんないんだもん。」

ゆのは「まずそこがダメなんです!私は今も拓也のことが好きです。」

拓也「なら・・」

ゆのは「でもだから、好きだから、好きすぎるから辛いんです!!何より信用できません」

拓也「・・・」

拓也がうつむきました。髪で顔がわかりません。

拓也「ク、」

ク・・?

拓也「クケケケケケケケケケケケケケケ!!!!!!!!!!!!」

ゆのは「ちょ、ちょっと待ってください!ゲームが違います!著作権に引っ掛かります!」

あれ?引っ掛かりましたっけ?引っ掛からない気もします。

拓也「ハァハァ、俺の物に、なラないんダったラ・・・、イっそ・・、殺しテやる!!」

この男、とうとうヤンデレになったんですか!?

つづく。

ゆのはです

昨日おうちに帰りました。拓也はまた画面に向かっています。私が帰ってきたことにも気づいてないようです。ていうかこの家なんか臭くないですか?牧場の牛の臭いがするんですが。。。

放っといて布団に潜ろうかと思いましたが、拓也に帰ってきたことくらい教えようと思ったので声を掛けました。

ゆのは「たく」

?「愛よ」

?「勇気よ」

?「希望よ」

私が言い終わらないうちに何かの声が邪魔します。

?「愛と、勇気と、希望の名の下に・・・、マジカルプリンセス、ホーリーアァーップ!」

・・絵を描いてたんじゃないんですか?

?「ビューティーセレインアロー!」

ねぇ拓也。

?「マジカルシュー!!」

拓也「うほーい♪やっぱマジカルプリンセスはかぁいいなぁ♪しかし寝ればいいのに、なんでチャ○ャ見てるんだろ。ま、可愛いんだから仕方ないか。よし、もっかい見よ。」

ゆのは「・・・」

?「マジカルシュー!!」

拓也「もう一回!」

ゆのは「・・・」

?「マジカルシュー!」

拓也「この放ったあとの笑顔がいいんだよなぁ。もっかい!!」

ゆのは「・・・ふーん」

?「きらきらきらきら」←おそらく効果音

拓也「うっひょー!ここだけ保存、と。」

とりあえず、拓也が箱を切り離すまで待ちます。

拓也「よし、次見よ♪」

ゆのは「天地万物を構成せし、八百万の御霊よ!!
    われ、ゆのはな郷が守護神、ゆのは姫の命によりて、
    これなる箱を・・・、完膚なきまでもうそれは細胞すら残さずに
    むしろ液体まで、滅せよ!!」

拓也「のわぁーー!!ゆのは!!それだけは勘弁してくれ。あ、おかえりってうわー!!」

ゆのは「おやすみ♪た・く・や♪」

白くなった拓也を放っといて布団に潜りました。

今日はイブです

恋人たちが過ごす大切な日なのに拓也はいません。私を置いて他の女のところに行ったようです。「ごめんゆのは!俺は・・・俺は・・・現実も見てるんだ!!」とかわけわかんな台詞を残して出かけていきました。

ふえーん!家出してやるぅ〜!

拓也さん?

 その大量の漫画は何なんですか?
 アニメイト? へ〜ぇ、東京には便利なお店があるのですね。この街では見るもの聞くもの全てに驚かされます。お金は大丈夫なのですか?
 拓也さん? 聞いてます?
 いえ、怒ってなんていません。私は貴方のことを信じてますから。ところで某社が募集を締め切った、という情報を耳にしましたけれど、勿論エントリーシートは提出してらっしゃいますよね。







 ね?

拓也がまた凹んでいます

ゆのは「どうしたんですか?」

と聞いてあげました。

拓也「いやな、ここのサイトが何人かに登録されててさ・・・。それが知り合いならいいんだけど、どうも知らない人も結構いたりするんだ。」

とかわけわかんないこと言ってます。ここのさいとって何ですか?茲野西都(ここのさいと)?あぁ四文字熟語。

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最近拓也はパソコンに真面目な顔して向かっていることが多いです。
また他の女を見てるのかと思い覗き込んでみますが何か一生懸命打ち込んでいます。

あと絵も描いています。絵を書き上げる度に凹んでいます。

拓也「なんでロリで巨乳しか描けないんだよっ!こんなんじゃ冬コミの3日目西ほ20αで1000円でゲームを販売できねぇよ・・・。宣伝なんかじゃないぜ!!」

と言ってます。後半がよく分からないです。

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ゆのは「拓也、キスしてください。」

拓也があまりにも構ってくれないので構ってもらうことにしました。

拓也「ゆのはにそんなこと言われちゃ断れないぜ!」

作業を中断して私のもとへ。こういうところは素直に嬉しいです。目をつぶって。唇を・・

ゆのは「・・・」

しばらく待っても何もありません。どうしたのだろうと思って目を開けます。
なんか真剣な顔で凄いペースで描き取ってます。

拓也「しばらくそのままでいてくれ。いや、必ず!いや、絶対!絶対必ずこれが終わったらキスするから!!舌とかも入れてやるぜ!!・・・ふぅむ、そうか、これがキスしてるときの顔か。」

なんなんだこいつは。